頚性神経筋症候群(首のこり)
首に横しわがありませんか?
下の写真にあるような首の横しわのある方を見たことがありますか?
頚椎症やストレートネックの方や自律神経失調症ぎみの方に多いようです。
【椎間の狭小化はたいてい同じレベルの皮膚のしわをともなうことに注意すべきで、皮膚に溝があるレベルをレントゲン上で確認すると、多くの場合いくらかの退行性変化が見られる。 たとえば、ある頚椎椎間板の狭小化は頚部の皮膚のしわをともなう。】 ※書籍 “筋筋膜痛の治療 大村昭人・北原雅樹 訳 克誠堂出版株式会社” に記載されています。
つまり、しわのある皮膚は、同じ部位の関節や靭帯がゆるんでいたり、関節の間が狭くなっている…ということになります。
また、首のこりの影響について考えると、 後頚部は 頭の骨(後頭骨)と首の骨の一番上(頚椎1番)の間には椎骨動脈という脳に血液を運ぶ大切な動脈があります。
したがって後頭部のこりは、椎骨動脈を圧迫して血流を阻害します。
そして、喉の側の前頚部には、迷走神経という内臓をコントロールする神経も存在するために、前頚部のコリが迷走神経をとり囲む組織の血流障害をおこし、自律神経失調症に移行しやすいものとなります。
構造上の弱点なわけですね。
頚性神経筋症候群
最近は、首のこりによる自覚症状を “頚性神経筋症候群” という名前で呼ばれることもあります。
東京大学医学部出身、松井病院理事長の松井孝嘉先生が命名した病名です。
自律神経失調症、うつ症状、めまい(メニエール症候群)、頭痛、目の疲れ痛み、パニック障害、ストレス障害、慢性疲労症候群、更年期障害(男性・女性)、動悸、高血圧、風邪を引きやすい、物忘れが激しいなど、いくつかの自覚症状を合併している事が多いのが特徴です。
松井先生が中心になって“頚性神経筋症候群”を研究している病院では、画像、神経学的etc.細かく診察、診断して下さいます。
そしていよいよ治療となると、首に特別な電気(?)を流したり、鍼をして電気を流したり、運動療法を指導…いろいろな処置を実施されるようです。
※過去に当院の患者さんで何人も 松井先生の診察を受けた方の情報からお話しをしています。
上記の治療法なども鍼灸師には診断権はありませんが、他の治療は、鍼灸院と同じような治療をしていると予想できます。
過去にも松井先生のグループのように 首の異常が自律神経失調症をおこす…と主張していた学派もあます。
古い話になりますが、昭和40年代に車が普及しだした頃、交通事故の増加とともに“むち打ち症”の患者さんが増加し社会問題となりました。
それはなぜかというと その頃の車はシートの首を支えるヘッドレストがなかったために、追突時に 頭や首が空中でむちを振ったようにな状態になり頚部捻挫,頚椎捻挫がおこるからです。
当時の西洋医学の検査法では診断がつかず、首をコルセットで固定するしか手立てがありませんでした。(現在でもむちうち症は、診断は???です)
むちうち症の後遺症は、“頚性神経筋症候群”と同じような自覚症状をあらわします。
当時 唯一 大阪医科大学麻酔科では、 故兵頭正義教授らが“むちうち症”に対して 自律神経のバランスを調整できる良導絡治療(電気鍼治療)を実践され、“むちうち症”による不定愁訴を改善していました。 (当院が主体とする治療法が この良導絡治療です)
しかし、それ以後は、いろいろな問題(混合診療)もあり あまり西洋医学の分野では重要視されていなかったという経緯があります。
何年か前より 首の異常が原因で自律神経失調症やうつ等の症状がおこりうる可能性があると、東京大学医学部出身の権威のある医師グループが研究、臨床に応用を始めました。
東洋医学(良導絡治療)では、ずいぶん以前から首と自律神経の関係を訴えていたのですが、やはり鍼灸師が情報発信するのと、医師が情報発信するのとは 世間の注目度が違います。
“頚性神経筋症候群”として、今まで東洋医学の分野でしか日の目が当たらなかった“首のこり”に 西洋医学の医師が注目して下さることにより、より多くの病める患者さんが救われることになるでしょう。
ライフ治療院院長 予約制052-877-5791
国家資格保持者による、はり灸・マッサージ・整体をいたします。
【国家資格】
◎あん摩マッサージ指圧師
◎はり師
◎きゅう師
【認定】
鍼灸心理師 良導絡専門師