うつ病には鍼灸単独では難しいか?②
さて、先回①では鍼灸単独では「うつ病の治療は難しい!」と述べました。
理由は、抗うつ薬や安定剤を使用すると、脳や自律神経、末梢神経の働きを鈍らせ、鍼灸をしても生体反応が起こりにくいため治癒力も低下しやすいからです。
うつ病は、人生の緊急事態に対する正常な反応
うつ病は、人生の緊急事態における正常な反応と考えます。
これが薬物治療に代わる1つの選択肢となります。
うつ病を人生の緊急事態とするならば、薬を服用することだけでは解決できることはありません。
薬物治療は、急性期や耐えがたい症状を一時的に緩和するもので、必要かと思います。
しかし、何年も薬物治療しているのに治らない。
治らないのに薬を続けている…
この問題は、もう少し別な視点でうつ病を考えた方が良さそうです。
うつ病は人と人の間でしか解決しない
今までいろいろな心の病やストレス症状の患者様に携わってきました。
原因は、患者様を取り巻く人々や社会との関係性により引き起こされることが多いと思います。
向精神薬で心身が安定したり、眠れるようになったりするのですが、薬が切れるとまた症状に悩まされたり、根本的に楽になるところまでは行きつきません。
私の長年の臨床経験から、人と人の間で生じた問題は、人と人との間でしか解決しない…、つまり関係性の改善でしか快復はないと思うようになりました。
治癒ではなく快復を目指すことが大切
医療は病人自身が症状をコントロールできない存在として扱われます。
症状や苦悩を薬で取り去ることを目的とするのではなく、患者様自身が症状をコントロールすることを目的とします。
このような事が自然にできるようになると、再発も遠のきます。
ナラティヴ・セラピー(相互参加型の治療)
現在の日本の医療・福祉では、専門家が答えを知っていて、患者様は、治してあげる、助けてあげる…という関係性に縛られています。
その関係性は、患者様自身の主体性を奪い、依存傾向を高め、自尊感情を低下させます。
当院では、ナラティブ・セラピー(鍼灸カウンセリング)を鍼灸臨床の中で導入しています。
ナラティブ・セラピー(鍼灸カウンセリング)は、専門家の意見より、患者様本人の積極的な関与を重視します。
病気を治療者側からでなく、患者様と治療者共に相互に考えていく立場です。
薬も鍼灸もナラティブ・セラピー(鍼灸カウンセリング)も、快復のための1つの道具に過ぎません。
うつ病は快復可能な病気です
①快食 ②快眠 ③快便 ④快動 ⑤快話 という『5快』が上手く生活の中で実践できるようになると、身体のリズムが整い、自律神経の過敏さや調節能力も安定してくると思います。
『5快』(心地よさ)を自然に心身が実施できるように、鍼灸治療やカウンセリングで援助します。
決め手は、“5快”を感じる「こころ」と「身体」作り
Ⅰ、快 食
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Ⅱ、快 眠
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Ⅲ、快 便
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Ⅳ、快 動
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Ⅴ、快 話
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当院では、快食、快眠、快便は、鍼灸治療で対応します。
快動は、日に当たりながら少し汗ばむくらい散歩をしたり、植物を育てたり、動物と触れ合ったり… ご自分の体力に見合った心地良い運動、労働をしましょう。
快話は、当院の院長(松森)は、長年心理学やカウンセリングも学んでいます。
当院は、院長とマンツーマンの治療ですので自由にお話をしていただきます。
手間や時間、費用もかかりますが、このような事をしばらく続けていくと、生活の中でいつの間にか不快な症状が無くなっていることに気が付きます。
当院で楽になった患者様は、おおよそこのような流れで快復していきます。
根気よく継続していけば、うつ病は快復可能な病気です。
ライフ治療院院長 予約制052-877-5791
国家資格保持者による、はり灸・マッサージ・整体をいたします。
【国家資格】
◎あん摩マッサージ指圧師
◎はり師
◎きゅう師
【認定】
鍼灸心理師 良導絡専門師